前回の記事「お父さんのためのスニーカー選び講座①」では、お父さんが抱える靴に関するお悩みを解決するために、スニーカーに求められる条件をご紹介しました。
今一度ご紹介すると以下になります。
①瞬時に履き脱ぎができる(履き脱ぎがしやすい)
②汚れが落としやすい(汚れにくい)
③どこで履いてもおかしくないシンプルで機能的なデザイン
今回からは、これらの条件をクリアする具体的な靴の仕様についてご紹介していきたいと思います。
瞬時に履き脱ぎができる(履き脱ぎがしやすい)靴
近年、この条件をクリアする優れた靴が続々と誕生しています。
ここで「瞬時に履き脱ぎできる」の定義をより明確にしたいと思います。
それは「立ったまま手を使わずに履ける靴」です。
靴は本来、構造上脱げないようなフィット感を出すために履き口を足首を包み込むような形状にする必要があり、通常は、手を使わずに靴を履こうとすると、靴のかかやシュータンを踏みつけてしまうことなります。そうならないように、靴ベラや手などを使って、履き口を広げて履くのが一般的です。
しかし、ここ最近、靴ベラや手を使わずに履けて、しかもしっかりフィットするという構造や素材を持ち合わせた靴が続々と登場しています。
以下にいくつかのブランドをご紹介します。
Nike(ナイキ)「FlyEase(フライイーズ)」
筆者の知る限り「手を使わずに履ける」機能の謳ったシューズをいち早くリリースしたのはNIKEです。
それが「Go FlyEase(ゴーフライイーズ)」というシリーズです。
テンショナーバンドと双安定ヒンジ(ちょうつがい)がシューズを安定した開いた形状に保持。「ダイビングボード」に足を踏み入れるとカチッとロックされ、かかとの「キックスタンド」を踏めばロック解除できる構造になっています。

脱いでいる時と履いている時で靴の形状が変わる作りになっています。


↑脱ぐときはかかとをもう一方の足で踏んで靴を「折り曲げて」脱ぐ。
この「Go FlyEase(ゴーフライイーズ)」シリーズは靴の構造が特殊なものだけに、靴のデザインそのものにシリーズ独自の特徴がでてしまうのですが、NIKEは「FlyEase(フライイーズ)」として、履き脱ぎしやすい機能を、より一般的なデザインのシューズへ落とし込むことに成功しています。

↑人気定番シューズ「ナイキ エア フォース 1 」の「フライイーズ」版。ストレッチ性のあるかかと素材が手を使わずに足を滑り込ませることを可能にしている。
SKECHERS(スケッチャーズ)「ハンズフリーSlip-ins(スリップ・インズ)」

アメリカ初の大手シューズメーカーSKECHERS(スケッチャーズ)の技術ハンズフリーSlip-ins(スリップ・インズ)」。
かかと部分に独自形状と素材を用いて、立ったまま足を滑りこませるようにして履くことができます。
PUMA(プーマ)「EASE IN(イーズイン)」

大手スポーツメーカーPUMA(プーマ)が展開する「EASE IN(イーズイン)」シリーズ。
原理はSKECHERS(スケッチャーズ)「Slip-ins(スリップ・インズ)」と同じで、かかと部分の形状を工夫することで手を使わず立ったまま履けるようになっています。
シュータン一体型のスリッポン構造の履き口と、新たに開発 したヒールパーツを搭載することで、立ったままでも簡単に 足入れが可能になっています
CEDAR CREST(セダークレスト)「スパットシューズ」
日本で㈱靴のチヨダが展開しているCEDAR CREST(セダークレスト)の「スパットシューズ」シリーズ。
こちらも基本原理は上記と同じです。
以上、立ったまま手を使わずに履き脱ぎできるシューズをシリーズ展開しているメーカーを紹介しました。
筆者自身これらのシューズを履いた経験がありますが、使ってみると「もう、もとの靴には戻れない」というくらい楽ちんです。
既に体験している方やこのようなニーズを持っていた多くの方の支持を集めているのでしょう。各社「立ったまま履ける」靴の展開を加速させているようにも思えます。
この機能は今後の靴のスタンダードになるかもしれません。
上記に紹介したメーカーだけでなく、他のメーカーからも同じような機能の靴は多くリリースされていますので、気になる方は「立ったまま履ける」「手を使わず履ける」などのワードで検索してみてください。